正福寺の千体地蔵堂

 正福寺は東村山の平凡なお寺ですが、境内にある地蔵堂は東京で唯一国宝に指定された建造物になります。

 都内の歴史的建造物の殆どは度重なる地震や火災により、破壊され再建されたものが多く創建当時の姿を留めているものは少ない状態です。特にお寺の建造物は明治の廃仏毀釈騒動で壊滅的な被害を受けています。

 これらの危機を逃れ、鎌倉時代創建当時の姿を今日に残す正福寺の地蔵堂は、正に国の宝に値するものだと思います。

 しかし、わざわざ国宝と書かれた額を掲げているのは、いかがなものかと思います。この額の存在を知ったとたん興味が半減してしまいました。

 少しいやみを言いましたが、国宝の建物を拝観料無しで拝めるのは太っ腹でよし。次の写真は同じく国宝、鎌倉・円覚寺の舎利殿。同じ時代に建立されたもので、正福寺の地蔵堂と瓜二つです。こちらは拝観料が必要なのと、もったい付けて写真撮影が禁止になっているところが「×」。両建造物共に鎌倉時代の禅宗寺院に見られる屋根の渕が反り上がっているのと、2階建てのように見える裳階が付いている特徴があります。

 国宝の建造物を調べてみると、関東地方には国宝になっている建造物が少ないということが判りました。日光の東照宮を所有している栃木県は6件と別格ですが、その他は東京京1、神奈川1、千葉、埼玉、群馬にいたっては0。何か寂しさを感じてしまいます。そして同じ国宝建造物でも、関西地方と比べると規模の大きさ、風格の違いを感じました。

  また、正福寺は墓地の通路や隣接する神社の敷地から誰でも自由に出入りできるため、セキュリティー上無防備になっている。夜など人気が無い時に不審者の放火に遭わないか危惧します。

本堂

 映画「となりのトトロ」は昭和30年代の正福寺近辺の自然が舞台になっています。ひょっとしたら映画に出てくる六地蔵はこのお地蔵様たちがモデルになっているのかも知れません。